ガラスたちのおしゃべり : 株式会社十條 制作部/スタジオ グラシアムのスタッフブログ
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2013年5月23日木曜日

旧作回顧5 あいち小児保健医療総合センター




スティップルです。

今回の旧作回顧は、ステンドグラスではなく壁画です。

愛知県大府市にある子供のための専門病院、あいち小児保健医療総合センターです。




ここは普通の病院とちょっと違い、

入院したり通院したりする子供達が伸び伸び過ごせるよう、

様々な配慮がなされており、とても明るい雰囲気です。





この病院の壁画のストーリー、キャラクター、

各壁面の絵のデザイン及び制作が私にまかされました。



プラン作りに2年、2001年から1期〜3期に及ぶ現場での描画作業に足掛け3年、

のべ日数でも半年以上の大作業になりました。

当然一人ではこなせず、様々な人のアシストを得、様々な困難を乗り越え、

涙なくして語れない過程を経ての完成でした・・・。



ここに一挙に全てをアップしてみます。





《 1F 》

大きな木から生まれたどんぐりくんとマロンちゃん

冒険のはじまりはじまり!




キャラのどんぐりくんとマロンちゃんは立体で、

土岐の大きな陶器会社のスタッフさんといろいろディスカッションしながら作りました。









この眼鏡はモグおじさんのじゃないの?














《 2F 》

森の主のおじいさんや仲間達に出会ったどんぐりくん達は、

いろんな話を聞いたんだ・・・



森のおじいさんは、北海道の天然木をふんだんに使った木レリーフです。






どんぐりくん達や下↓のクワガタも立体です。






天井にも描いてます・・・首が凝りますね(^^;)



このイタチも立体。立体は全て陶板にアクリル絵具で着彩してます。




         よく見ると窓の下にどんぐりくん達が ↑





《 3F 》

どんぐりくん達は、ふくろうに乗って海の見える街にやってきた











《 B1F 》



街から海にたどり着いたどんぐりくんとマロンちゃん

はじめて見る海にびっくり@@




 どんぐりくん達がくじらの尻尾に飛ばされてお話はおしまい

バイバーイ!!!








全ての作業が終わり現場から出て、夕日を受けたこの建物を小高い丘から見下ろした時、

‘’ なんとかやり遂げた・・・ ‘’という満足感と、

それ以上の虚脱感に襲われたことが印象的でした。












2012年10月4日木曜日

旧作回顧3 イルフ童画館

スティップルです。



先週の土曜日、あんまり天気がいいもんだから、

信州の諏訪湖までドライブ。

そして、そのついでといってはなんだけど、

そのお隣、岡谷市にあるイルフ童画館へも寄ってきました。




というのは、今を遡ること14年前、1998年に、

この童画館のステンドグラスを制作したことがあり、

久々見てみたくなったんです。


イルフ童画館は、

岡谷市が誇る童話作家”武井武雄”の作品を常設展示した絵本の美術館です。

武井武雄は、童画という言葉を創出し、あらゆる表現手段を使い、

芸術の域にまで高めた偉大な作家なのです。




本当に彼の描く&作る作品はどれも、明治生まれの方とは思えないほど、

斬新で独創的、素晴らしいの一言です。



さてその14年前のステンドグラス。



武井武雄は、”仁四郎の窓”という絵本の中で、

ステンドグラスを模した絵本を描いています。

それはただ絵として描かれただけではなく、

ステンドグラスの鉛線を樹脂で立体的に盛り上げ、

リアルな表現を目指した、とてもオリジナリティあふれた作品です。



ということで、

その”仁四郎の窓”の絵本を原画に忠実にステンドグラスで再現し、

常設展示の目玉にしようというプロジェクトが、

岡谷市と大手広告代理店D通の間で具体化し、

ウチに制作依頼がありました。



僕自身、その当時”武井武雄”の名前を知らず、

当初はプロジェクトの重要性も認識していませんでしたが、

関わっていくにつけ、大変な仕事だぞということが

だんだんわかっていきました。



そんな彼の描く原画をそのままステンドグラスに置き換えるのは、

言うのは簡単、でも実際なかなか大変で、

特に水彩絵具で描かれた色を、

アンティーク系でなく、オパール系のガラスだけで表現する

(人工照明での展示のため)のは、ずいぶん難しい作業でした。





試作したパネルを市の担当者やD通に見せ、

原画と違和感がないか確認してもらったり、

スタジオでの制作ぶりを見学していただいたり・・・。

また、細部の表現をどうするかスタッフと打合せ&試行錯誤し、

数ヶ月後、大変なピース数にめげることなく全7枚がなんとか完成!







そうして完成したステンドグラスを納品へ。

納品した日は童画館の建物竣工の数日前、

たまたま視察のため岡谷市長がいらっしゃってて、

僕らが挨拶をすると、

もし良ければ施工前にここでステンドグラスを見せてください、

ということになりました。









梱包を解き、1Fのフロアで一枚一枚お見せすると、

岡谷市長は「・・・・・素晴らしい・・・・」

と深くうなずきながらながら一言。



ぼくらもそれまでの苦労が報われ、

ホッとすると同時に、嬉しい晴れ晴れとした気持ちになったことを

今でも覚えています。



14年ぶりにそんなことを思い出し、

そんなことあったなあ・・・と感慨に耽りながら、

イルフ童画館を後にしたのでした・・・。