初夏を思わせる暑い日もある、今日この頃です。
夏と言えば、日本の夏の風物詩・・・風鈴です。
それで少し調べてみました。
江戸末期まではガラス製の風鈴は高価な品物で知る人ぞ知る特別な存在だったようです。
ガラス製の風鈴の登場は、ガラスの金魚鉢の登場と関連がありそうです。
藤田又兵衛氏(東京江戸川区でガラス風鈴つくり70年の大ベテラン篠原健治氏の父)も
金魚の容器つくりをしていて風鈴制作に転向したという。
「寺院の軒先に揺れる金属の風鐸を見て、金魚鉢を逆さにして穴をあけ、舌をつけて」
ガラス風鈴を創案したらしい。
これが大変な人気商品となり、海外にまで輸出された。オーストリアに輸出されたとき、
「切りっぱなしの底部ギザギザが指に危ない」と現地からクレームが来たそうで、
「仕方なくヤスリをかけて磨いて底を滑らかにした。すると・・・音が出ない。
いや、チンとはいう。がチリリーンはいわないのだ」と話す。
この底辺をギザギザにして、音の響き方を工夫した話は日本の音文化の特徴を
よく表していて、とても面白い。
なぜならば、日本の音色の特徴は単一な音が響くことでなく、一音に様々な音高が
含まれて余韻の長い音色を作ることにあるからだ。
と、ここまで読み進んで、私は長年の疑問が氷解して、おもわず膝を叩きました。
私自身もガラス風鈴の開口部のギザギザの切りっぱなしがずいぶんと気に
なっていました。
吹いたガラスの曲面がツルンとしているのに開口部のギザギザをもう少し、
磨いたらいいんじゃないのか?
磨くとひと手間かかるので、工程を省いているのか? 等など・・・
しかし、なんとあのギザギザはガラス風鈴の音色にとって必要だったのでした。
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